2018/11/29
こういう仕事がら、毎日ポストにどんなDMやポスティングが投函されているか楽しみにしています。昨日は、少なくてポスティングが1通でした。さみしい。。
せっかくなのでその1通じっくり見てみたいと思います。
その方法は・・・DMのリバースエンジニアリング『新DMの教科書』(日本ダイレクトメール協会著)に掲載されているDMの改善手法です。
元々「リバース・エンジニアリング」とは、製造手順と逆に完成品を分解して、その仕組みや構造を調べていくこと。それを、DMに当てはめた考え方のことです。
『新DMの教科書』は「DMマーケティングエキスパート」認定公式テキストなので、DMを作る上では結構知られた手法かと思います。
リバース・エンジニアリングでは以下の9つの要素を見ていきます。
1、企業戦略
2、ポジショニング
3、目的
4、ターゲット
5、オファー
6、ベネフィット
7、クリエイティブ
8、フック
9、アクション
この要素をそれぞれ可視化した上で、どう改善できるかを考えていきます。
ちなみに、なぜこれを行うかといえば、効果の高いDMや成功しているDMというのは、この9要素がきちんとしていることがほとんどだからです。
DMのリバースエンジニアリングをすることで改善点が分かり、より効果の高いDMを作ることができるんですね。また、制作者の意図を読み解く上でも有効な手段なので、私たちのようなDM屋さんがクライアントさんのことを知る上でも有効な手段です。
前置きが長くなりましたが、今回はこのようなDMでした
(人様のDMなのでモザイクばかりですみません)。
wi-fiのご案内です。
以下のように9つの要素に分解してみました。
1、企業戦略 …マンションごとに提案、地域密着型
2、ポジショニング…工事不要、安さ、強引な提案はしない地域密着サポート
3、目的 …Wi-fi契約
4、ターゲット …マンション入居者
5、オファー …他社解約金一部負担
6、ベネフィット …安さ
7、クリエイティブ…A4用紙1枚、テキストメイン、シンプル
8、フック …「入居者へのお知らせ」
9、アクション …受付期限、大きめのフリーダイヤル、営業電話はしません等売込臭の排除
こう見ると、ベネフィットとフックとポジショニングが少し弱いのでしょうか。
ベネフィットの「安さ」は「従来の」と比較がされていますが、提示されている金額は「安い!」と驚くほどではなく、何度か見たことのある金額感です。
フックは、入居者だけに管理会社からのお知らせのように見えるので安心感はありますが、もっとキャッチコピーを効かせてもよいかなと思います。
なんせ、うちのマンションはよくwi-fiの案内が来るからです。
そして、ポジショニングの部分も、他のwi-fiの案内で記載されていることとほぼ一緒なんです。弊社の業界もそうですが、ベネフィットやポジショニングが出しづらい業界さんですよね。
なので、そこまで差別化にはならないものの、「安さ」と「押し売りはせず地域密着で確実にサポートします」という部分が、やはりポジショニングになるのでしょうね。
担当者さんの顔写真はさわやかで好感が持てます。
ですので、私ならまず「キャッチコピー変更」をします。
「お知らせ」というマイルドな形ではなく、今すぐ変更しないともったいないと思わせるようなコピーがいいかと思います。
また、アクションの部分をフリーダイヤルだけでなくwebでも申込みできるようにします。うちのマンションは投資用マンションなので、比較的若い方が多くみな賃貸で住んでいます。若い方だとフリーダイヤルよりweb申込みの方が相性が良いのでは?と思うからです。
フリーダイヤルは9:00-21:00なのですが、私などはその時間、そもそも仕事でいないですしね。また、「地域密着」を押し出すのであれば担当者さんをもっと出して、読み手に安心感と親近感を持ってもらうのも良いかと思います。
そして、このような商材はタイミングが大切なので、定期的に投函することが大切ですよね。お得でも「今すぐ必要」でないと、なかなか人は動いてくれませんから。
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